１９９２年に公開のジブリ映画、「紅の豚」は、それまで子ども向けにアニメを作り続けてきた宮崎駿監督にとっては、異例の同年代の大人向けのアニメとなりました。

そのためか、監督の作品に対する思い入れも強く、また、子どもたちに向けて作品を作ってきたからこそ、公開後も同年代向けのアニメ製作の是非を悩み続けることとなりました。

そんな宮崎作品の大人のための、大人な主人公に触れたいと思います。

マルコの声優について

マルコ （ポルコ）の声優を務めているのは、森山周一郎さん。

低めのしわがれた声が魅力的で、様々な作品に出演していますが、中でも洋画の吹き替えで活躍されたイメージが強くフランス映画のジャン・ギャバンやチャールズブロンソンの役が有名です。

中でも当たり役とされ、マルコのモデルとなったのではないかと言われている刑事コジャックのテリー・サバラスの声を吹き替えた際は、監督の意向で、コジャックと同じ容姿に近づけるように丸坊主にしていました。

近年では老紳士の役として数多くのテレビ番組に出演しています。

森山周一郎さんのブログのトップには「紅の豚・刑事コジャック・・・」と表記があり、森山さんの中でも、代表作と位置付けられていると思います。

また、掲載されている写真も、刑事コジャックやマルコのように帽子をかぶり、ビシッとスーツを着ていることから、そのキャラクターのイメージを壊さないように、そして身も心もキャラクターになっているのだという、作品への愛情を感じます

人間から豚になった？理由について

引用：https://matome.naver.jp/odai/2147885509424410901

マルコはもともとイタリア空軍の優秀なパイロットでした。

戦争が起きて、マルコはたくさんの友人たちを見送ってきた経緯があります。

映画の中には飛行機の墓場のシーンがあります。

マルコの苦しみを表したシーンだと思います。

なぜ、マルコはイケメンだった過去に対して、豚の容姿になってしまったのか。

その答えはありませんが、推察するに、マルコは自責の念から自分自身に魔法をかけて姿を変えたのではないでしょうか。

自分はたくさんの仲間を助けられなかった。

たくさんの仲間が命を懸けて戦っていた中で、自分もそうしたかったのに、生き残ってしまったという、辛さ。

自分だけ幸せになれないという想いを背負って生きているのだと思います。

だからせめて容姿は醜い豚に、ということでしょうか。

 

 

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マルコの素顔は？

引用：http://ze-ssan.com/item/73

映画の中では、何度かマルコの素顔が映ります。

その素顔はとても好青年で、豚とは比べならないほどのイケメンです。

でも一瞬なので、見逃してしまうかもしれません。

こんなにイケメンでトップクラスの優秀なパイロットなのであれば、さぞモテモテだったのだとおもいます。

ジーナももしかするとマルコのことを好きだったのかもしれません。

とは言え、ジーナはマルコの友人と結婚していました。

マルコはジーナのことを好きだったはずです。

今でも思っているようなそぶりが見えますから。

でも当時、友人と結婚するジーナに対して、指をくわえて待っていたのだとしたら、マルコは自分に自信のない、ちょっと奥手な青年だったと癒えるでしょう。

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マルコの年齢について

引用：https://cinema.ne.jp/recommend/porcorosso-2016111111/

マルコは初めて飛んだ時の話をする時に「１９１０年、１７の時だったな」というセリフがありますので、劇中設定時代の１９２９年ごろとすると、３６〜３７歳と推測されます。

フィオは１７歳と言っているので、２０歳くらいの年の差があることになります。

それでも恋愛の要素というか、フィオがマルコにキスをするシーンがあるにしても、違和感の無いように描かれているところが素晴らしいと思います。

３６歳だとすると、マルコは過去を背負って生きていくには若すぎる年齢のような気もします。

３０代半ばは、もう、人生の終盤を考えていなければならない時代だったのでしょうか。

ジーナもマルコと同じくらいの年齢と思われるので、その年齢で既に３回結婚して相手が３回とも戦死したということも酷な話です。

イタリアでは結婚する際に誰かが反対したら婚姻届が受理されないというくらい結婚するのが大変な国と聞いたことがあります。

もしかしたらジーナの結婚は口約束だけのものだったのかも知れません。

戦地に行く前に、プロポーズをしてくる相手に、断れるようない人がいるでしょうか。

ジーナはきっとマルコを想いながら、相手の結婚の申し出に頷いていたのではないかとおもいます。

マルコがジーナに愛を打ち明けないのは、もう戦地に行くことがなかったからかも知れません。

 

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ポルコと呼ばれている理由

引用：https://forum.gamer.com.tw/C.php?bsn=40100&snA=349

 

映画の中で、マルコと呼ぶのはジーナだけではないでしょうか。

他の人物は全員「ポルコ」と呼ぶので、ポルコが本名だと思っている方が多いかも知れませんね。

ポルコ・ロッソはアドリア海での賞金稼ぎとしての通り名で、本名は「マルコ・パゴット」。

マルコが乗っている飛行機は真っ赤。ロッソはイタリア語で真っ赤の意味です。

まとめ

ポルコ・ロッソの本名であるマルコ・パゴット。

ほとんどの人物がポルコと呼ぶ中、たった一人マルコと呼ぶジーナ。

名前なんて関係のないことだ、とポルコ。

ここに全てがあるのではないでしょうか。

名前も容姿も、必要なものはそんなものではないということなのだと思います。

丸いサングラスのの瞳は、何を見つめているのでしょうか。