「紅の豚」の物語の雰囲気をこの美女が作り出しているのではないかといっても過言ではない、重要な登場人物、マダム・ジーナ。
飛行艇乗りは皆、ジーナに恋をする。
そんなジーナの魅力をお伝えしたいと思います。
ジーナの声優はこの人しかいない
マダム・ジーナの艶やかな声。
上品でどこか寂しげな響きの声の主は、シンガーソングライターの加藤登紀子さん。
主題歌の「さくらんぼの実る頃」、エンディングテーマである「時には昔の話を」も加藤登紀子さんが作詞作曲を手掛け、その歌声はこの物語のしっとりとした雰囲気を醸し出しています。
「さくらんぼの実る頃」を聞いた宮崎駿監督は、即この曲だと、決めたという話があります。
さくらんぼも赤い実ですから、新緑に映える赤い一つの実が、ポルコの乗る飛行機を想像させます。
加藤登紀子さんが声優を務めたのはこれまでにたった一度だけ。
ジーナ役を務めた後はコンサートなどで、ジブリメドレーを演奏したり、きっと登紀子さんの中で大切な宝物になっているのだと思います。
3度の結婚
引用:http://studiototoro.com/zina-1539
ジーナは飛行艇乗りと3度結婚している。
いずれもポルコの友人でしたが、3人とも戦死しています。
ジーナは本当に3人のことを愛していたのでしょうか。
飛行艇乗りは一度はジーナに恋をすると言われているように、男たちは彼女の美貌を放っておくはずがありません。
かと言って、ジーナが誰とでも結婚する女性とは到底思えないのです。
これは勘ですが・・・。
昔馴染みのポルコに想いを寄せつつ、他の男性と結婚したのでしょうか。
ジーナの生い立ちや、結婚相手の詳しいことは分かり得ないのですが、その壮大なストーリーを全部ポルコが受け入れているとしたら、ポルコがますますカッコ良く感じてきます。
マダム・ジーナの年齢は・・・
https://cinema.ne.jp/recommend/porcorosso-2016111111/
マダム・ジーナは、ポルコと昔馴染みという設定からポルコと同じくらいの年齢と思われます。
ポルコは物語の中のセリフから推定36歳〜37歳であろうと思われますので、ジーナも36歳くらいでしょうか。
ジーナの声を担当した加藤登紀子さんは当時50歳だと思いますので、36歳の女性の落ち着きと、経験を感じさせるには十分過ぎる声だと思います。
ジーナはそれまでに3度の結婚と死別を経験していますし、ホテルアドリアーノを一人で切り盛りしたり、物語には見えないたくさんの辛さや寂しさを抱えていると考えると、納得の配役だったのではないかと思います。
まだまたこれから人生が続いて行くであろう年齢です。
ジーナに幸せになってほしいと思うのは私だけではないはずです。
ジーナとポルコの賭けのお話
引用:http://blog.livedoor.jp/hanasakia/archives/51523543.html
ホテルアドリアーノを経営するジーナは、これまでに3回結婚して3回の死別を経験しています。
ジーナが昔馴染みのポルコと賭けをしていることは、映画の中で話しています。
ポルコが昼間にホテルアドリアーノを訪れたら、きっと愛する、というものです。
なぜこのような賭けをしているのでしょうか。
二人はきっと愛し合っているのに、どうしてお互いに打ち明けないのでしょうか。
ポルコは友人たちと約束をしていたのでしょうか。
お互いの身に何かあっても、ジーナは幸せにしよう、とか。
そもそも賭けをしている時点で、ジーナはポルコを愛しているのでしょうから、二人が結ばれることを予期している賭けのように思えてなりません。
ジーナの店、ホテルアドリアーノ
https://blogs.yahoo.co.jp/dujikinal/11864429.html
ジーナの経営しているホテルアドリアーノはアドリア海に浮かぶ美しい場所。
集まったお客様の前で自ら歌うジーナ。
その歌声に魅了されるかのように集まる飛行艇乗りたち。
ジーナとポルコの若い頃の回想シーンがあります。
そこには飛行機に乗り込み笑顔の二人。
そしてその機体には「adriano-アドリアーノ」の文字。
偶然ではないはずです。
ジーナがなぜホテルを経営しているのか。
なぜホテルの名前が昔のポルコと二人乗った機体と同じ名前なのか。
二人の間にあった強い絆、つながりが垣間見えます。
賭けをしているジーナは、その昔一緒に飛行機に乗った青年のことを今でも愛していて、そして、ホテルの営業時間の夜に会いにくるのはお客様と一緒だから、昼間、仕事のない時間に訪れてくれるのを待っているのでは無いでしょうか。
まとめ
引用:https://24382547.at.webry.info/201409/article_3.html
ジーナの、「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの。」というセリフ。
その時代の背景に戦争があり、当たり前のように人を愛することが許されない。
つまり、意思とは裏腹に離れ離れになり、これから人生を一緒に過ごしたいと結婚しても、帰るのをじっと待つことしかできない、そんな二人になる。
自分ではどうすることもできない運命に従うしか無いと知ったとき、どうやって人を愛することができるのかもどこかへ置いて来てしまった人生を生きなければならない苦しみを感じます。
もし、ポルコがジーナと結ばれたとすれば、それは世の中から戦争がなくなる時であり、そんな平和な世界が未来にあってほしいという、宮崎駿監督の想いなのではないでしょうか。
だからこそ、宮崎監督がアニメ制作から引退すると言ったときに、金曜ロードショーで流れたのはこの紅の豚の作品でしたし、本当は続編を考えていたほど、この作品を愛していたのだと思います。
ポルコ・ロッソに自分自身を投影し、かっこいいとはこういうことさというキャチコピーとともに、世の中に放った希望の作品なのだと思います。